消えてしまった夢は 君の所為じゃない 魔法は無くしたけど もうおやすみ
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あのね
わたしが生まれたところはね、
一面が向日葵畑だったの
…そうね、ここよりもっと広いわ…
だぁれもいない向日葵畑でね
声が聞こえたの
「もうすぐ 私達は 枯れてしまう 痛い 痛い 辛い かなしい」
ってね
どういう意味か分かるかしら?
はなのいのちが
終わるという意味よ
タイヨウノハナ
「起きて、起きて―――幽香、幽香!」
ぱちり。
目の前には紅白の巫女。
わたしが目を開けたのを確認して、ため息を吐く。
「いつまで寝ているつもりなの?もう朝よ」
彼女はこの向日葵畑の近くにある神社の巫女だ。
名を、博麗霊夢という。
わたしはこの向日葵畑に住んでいる。
名を、風見幽香といった。
「…もう…朝なの…」
わたしは、気が付いたらここにいた。
ぽっと、なにか魔法のように生まれたのか
花のように地面から生まれたのか
どうやって生まれ落ちたのかは私の知るところではない。
霊夢に会ったのは生まれてからどれくらい経ってからだったのか
それすらも
言葉や人との接し方は知らなかった
霊夢と初めて会った時のことを覚えている
花を散らす人間だと思って攻撃したことを
わたしは霊夢よりも強かったのか弱かったのか
知らぬ間に倒れていた
そして霊夢がわたしに言ったのだ
「わたしが 言葉をおしえてあげる あなたの 名前は?」
言葉をもたぬ妖怪の名を
一体誰が授けたのか
わたしはこう答えた
「風見 幽香」
「幽香は放っておくといつまでも眠っているから困るわ」
そう言って霊夢は立ちあがる。
「仕方ないじゃない、眠たいんだもの…生まれてから、暇な時は寝てばかりいたから…当然よ」
やれやれと言った風に肩をすくめる。
言葉を教えて貰って、人との関わり方を知って。
人間に慣れてからは、買い物にも出るようになった。
人間達は、古くからこの地に住みつくわたしを怖がった。
それも仕方ないと思った。
「今年は…」
霊夢が小さな声で言う。
「なぁに?何か、言った?聴こえないわ」
「今年は、向日葵がいつもより多いわね」
「…そうね そうかもしれないわね」
「あんたが…そう願ったからなの?」
「…何か…わたしに言いたいことがあるのね?」
「幽香、人間達が…ううん、妖怪たちも騒いでいるわ」
「何が…」
「咲くべきではない所にまで向日葵が咲いているって」
「…そう、いいじゃない、綺麗だもの」
「…人間達が襲ってくるわ あんたが元凶だって知ってるから…」
霊夢のいいたいこと わたしにしてほしいこと
それはわたしが願わないこと
「分かったわ 霊夢」
「わたしに この花を枯れさせて欲しいと願うのね」
「…それがあんたにとって…」
「最善だとでも言うつもりなの?」
「幽香…」
「花の聲が聞こえるわたしにそんな事を頼むとは」
「戦争よ 霊夢」
「幽香、」
「わたしと あなたと 向日葵達の命を賭けて」
「…どうしても…戦うと言うの」
「ええ」
「始めましょ、霊夢の大好きな弾幕ごっこ」
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突然東方を書いてみたり
しかもパラレル
幽香が大好きです。
お花に囲まれて長い間生きてきた妖怪の女の子。
強いからこそ生きていくなかで悲しいこともたくさんあると思うのです
いつか枯れてしまうお花を自由に咲かせる能力も
きっといつまでも彼女を苦しませる要因のひとつでしょう
それでも幽香には笑っていてほしい。
妖怪って、死ぬようなイメージはないです。
いつか、幽霊が自分の願いをかなえて消えるように、
心残りが無くなった時に空へ昇るように、
ある時地上に満足したらふらっといなくなるのかなって。
人間のように悩んだり苦しんだり
そんな感情には無関係で会ってほしい半面
命の終わりや始まりに関して
分からずもぐるぐると悩むような
そんな存在でいて欲しい。
いつか東方もしっかり書きたいのですが
まだまだ想像が足りずに書けないジャンルのひとつです。
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